大沢博(おおさわ ひろし)

大沢博 著「その食事では悪くなる―食事崩壊と脳への影響」(三五館、1999年11月4日 初版)より

1928年群馬県生まれ。心理栄養学のパイオニア。岩手大学名誉教授。非行少年・登校拒否児とのカウンセリングに長年従事し、心の荒れと糖との関連を追究している。そして、講演や執筆を通して「栄養カウンセリング」の必要性と重要性を訴える。著書に『食原性症候群』『心理栄養学』『食原性低血糖症』『子どもも大人もなぜキレる』他、訳書にフランクル著『意味への意志』、シャウス著『栄養と犯罪行動』エイローラ著『低血糖症』など多数。

序章 心に映る栄養状態
私の研究のきっかけ
私は東京文理科大学で心理学を専攻し、卒業後は法務省前橋少年鑑別所の法務技官、前橋市立女子高校教諭という職歴を経て、1956年から岩手大学に39年間勤務した。61年頃からカウンセリングを学び、実践的研究をするために大学の教育学部内で学生相談を担当し、盛岡少年院で篤志面接委員として矯正教育を受けている少年らと面接をしてきた。
1965年頃より、カウンセリング中の国語科の女子学生の話から、石川啄木の短歌創造過程に関心をもつようになり、74年から本格的にその創作心理と背景の研究を開始、論文を次々に発表、77年には光文社から『石川啄木の秘密』を出版した。石川啄木の短歌の研究は、本書の主題と関係がないように思われるかもしれないが、重要な意味がある。啄木の悲哀や恐怖の歌などの背後に、明らかに栄養問題もあったと思われる。その論文も発表した。
ふつうは無関係と思われるものの間に、関係があるかもしれないという見方を、私がするようになった背景には、74年に岩手大学教育学部付属小学校に講演に招かれた湯川秀樹博士の、「創造性理論」がある。その理論の基本概念は「同定」である。同定というのは、見かけの異なるものを同じとみなすことである。私の啄木研究は、啄木の大量の連作歌稿をまさに同定しようとしてきた研究である。すなわち、次々に創られたいろいろな歌の間に、何か共通のものが潜んでいるにちがいない、という発想で探究し続けた。
一見、無関係と見える心の健康と食生活に関係があるのではないかという仮説を立てた背後にも、この“同定”という創造性理論があったからである。
(略)
そんな私の目に留まったのが、川島四郎著『まちがい栄養学』(毎日新聞社 1980年)である。この本の中で川島氏は「連合赤軍の暴虐と食物」という見出しで、犯人の食事について書いていた。
(略)

パトリック・ホルフォード 著、大沢博 訳「メンタルヘルスと栄養─心の働きと情動の安定をよくする」(ブレーン出版、1999年10月10日 初版第1刷)より

訳者まえがき
この本は英国の栄養学者、パトリック・ホルフォードの著書“Mental Health: The Nutrition Connection”の訳である。ホルフォードは、メンタルヘルス、すなわち心の健康と栄養についての国際的なエキスパートである。学歴としては、初めはヨーク大学で実験心理学を学んでいる。しかしこのテーマに魅せられて訪米し、カール・ファイファー博士やライナス・ポーリング博士から学んだ。エイブラム・ホッファー博士とも交流していることが、序文からうかがわれる。これらの学者はみな、分子整合(分子矯正とも訳されている)精神医学を代表する人たちである。
私は昭和50年代後半から、校内暴力多発の問題を契機として、この分子整合精神医学に関心をもち、その研究情報をわが国の人々に広く伝えるべく、翻訳にも力を入れてきた。この本の訳もその努力の一つである。
心と栄養との関係は、心理学者にも精神医学者にもほとんど理解されていない。もちろん教育関係者にもである。
(略)

大沢博 著「食原性低血糖症」(ブレーン出版、1998年1月31日 初版第1刷)より

昭和3年群馬県生まれ。昭和27年東京文理科大学心理学科卒。昭和31年岩手大学学芸学部助手。昭和38年同助教授。昭和47年同教育学部教授。平成6年退職、岩手大学名誉教授。
著書─『石川啄木の秘密』(光文社、昭和52)『東海の小島の磯』(洋々社、昭和53)『石川啄木の短歌創造過程についての心理学的研究』(桜楓社、昭和60)『食原性症候群』(ブレーン出版、昭和61)『心理栄養学』(ブレーン出版、平6)『悲哀と鎮魂』(おうふう、平9)
訳書─フランクル著『意味への意志』(ブレーン出版、昭54)コームズ他著『援助関係』(共訳)(ブレーン出版、昭和60)シャウス著『栄養と犯罪行動』(ブレーン出版、平1)コームズ他著『認識心理学』(共訳)(ブレーン出版、平3)レッサー著『栄養・ビタミン療法』(ブレーン出版、平3)レッサー著『脂肪と成人病』(ブレーン出版、平5)エイローラ著『低血糖症』(ブレーン出版、平8)

大沢博 著「悲哀と鎮魂─啄木短歌の秘密」(おうふう、1997年4月20日 初版第1刷)より

昭和3年群馬県生まれ。昭和27年東京文理科大学心理学科卒。昭和31年岩手大学学芸学部助手。昭和38年同助教授。昭和47年同教育学部教授。平成6年退職、岩手大学名誉教授。
著書─『石川啄木の秘密』(光文社、昭和52)『東海の小島の磯』(洋々社、昭和53)『石川啄木の短歌創造過程についての心理学的研究』(桜楓社、昭和60)『食原性症候群』(ブレーン出版、昭和61)『心理栄養学』(ブレーン出版、平6)
訳書─コームズ他著『援助関係』(共訳)(ブレーン出版、昭和60)シャウス著『栄養と犯罪行動』(ブレーン出版、平1)コームズ他著『認識心理学』(共訳)(ブレーン出版、平3)レッサー著『栄養・ビタミン療法』(ブレーン出版、平3)レッサー著『脂肪と成人病』(ブレーン出版、平5)エイローラ著『低血糖症』(ブレーン出版、平8)

エイローラ,パーボ 著、大沢博 訳「低血糖症─現代病への新しいアプローチ」(ブレーン出版、1996年4月25日 初版第1刷)より

1928年生まれ
1952年 東京文理大学心理学科卒業
教育心理学・臨床心理学専攻
法務省前橋少年鑑別所法務技官、前橋市立女子高等学校教諭、岩手大学助手、講師、助教授、教授を経て
現在 岩手大学名誉教授
主要著書 「石川啄木の秘密」光文社 1977
「石川啄木の短歌創造過程の心理学的研究」桜楓社 1986
「食原性症候群」ブレーン出版 1986
「啄木短歌の心理学」洋々社 1988
「心理栄養学」ブレーン出版 1994
訳書 フランクル著「意味への意志」ブレーン出版 1979
コームズ他著「援助関係」(共訳)ブレーン出版 1985
シャウス著「栄養と犯罪行動」ブレーン出版 1990
コームズ他著「認識心理学(上・下)」(共訳) 1991
レッサー著「栄養・ビタミン療法」ブレーン出版 1991
レッサー著「脂肪と成人病」ブレーン出版 1992

大沢博 著「食原性症候群─食事できまる体と心」(桜楓社、1993年6月10日 初版第1刷)より

まえがき
(略)
私自身のことでも、食事と健康や活動の効率との関係についてはっきりいえる。我が家では数年前から玄米野菜中心の食事である。ほとんど疲れしらずで講義、相談、執筆、読書に精を出すことができるのは、この食事のおかげと思っている。
我が国ではかなり以前から、“食養”の実践家たちが正しい食事の重要性を説き、多くの人を心身の病いから救ってきたが、アメリカでも人間行動の研究者たちの中に、食事の問題を重視する人たちが現われてきた。(略)

アレキサンダー・G・シャウス 著、大沢博 訳「栄養と犯罪行動」(ブレーン出版、1990年3月30日 初版第1刷)より

訳者まえがき
(略)
栄養学者川島四郎博士は、連合赤軍のリンチ殺人事件の時、カルシウム欠乏という栄養問題が背後にあることを指摘するなどさすがであったが、そのような学者はめったにいない。
(略)
しかし、我が国でも、子どもを含めた多くの人々の食事の問題を重大視し、世に訴えていた人たちもいる。飯野節夫氏は早くから、登校拒否や暴力をなくすために食事療法を力説し、『校内暴力・家庭内暴力は食事で治せる』(潮出版社)などを著し、菅原明子さんは『非行は食べ物が原因だった』(講談社)、今村光一氏は『食の管理学』(東都書房)など、高尾利数氏は『砂糖は体も心も狂わせる』(ペガサス)、そして最近では鈴木雅子さんが、中学生のいじめと食生活の関連についての調査を含む、『食事が子どもを変える』(家の光協会)を著すなど、熱心な人たちもいる。
(略)