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食品公害による日本民族の危機
前理事長・医師 梁瀬義亮
毎日の小さな工夫を大切に その一
慈光会第2回学習会 環境ホルモン講演
日本子孫基金運営委員 三宅征子
大正9年奈良県五條市に生まれる。昭和18年京都大学医学部卒業。21年フィリピンより復員し、兵庫県立尼崎病院勤務を経て、27年五條市に帰り開業。帰郷直後より、農薬の恐ろしさに気づき、いのちを全うする農のあり方を研究しつづける。34年「農薬の害」発表、45年「慈光会」結成、50年「吉川英治文化賞」受賞。日本の有機農法の草分けの一人として、その活動は有吉佐和子著『複合汚染』にも紹介されている。また、昭和37年には「五條仏教会」を結成し、毎月欠かさず仏道講義をした。平成5年没。
著書に、『有機農業革命』(絶版)、『仏陀よ!』(地湧社)『死の魔王に勝て』(柏樹社)。
慈光会発行著書(小冊子)に(1)「永遠の生命を求めてI〜IV」(2)「救国の農法」(3)「近代科学文明と仏法」(4)「完全無農薬有機農法について─その原理と注意事項」(5)「愛する子孫の生存と幸せのためにご尽力下さい。」(6)「いのち発見」。
(4)〜(6)の小冊子と『仏陀よ!』は英訳版がある。
再版にあたって
1978年に『生命の医と生命の農を求めて』の第1刷が発刊されてから早19年の歳月が経ちました。(略)
この本の初版が出版されてから、上記のような活動を初めとして様々な変遷がございました。共に歩ませて頂き、多方面に亘ってご指導を頂きました、日本有機農業研究会の一楽照男先生、築地文太郎先生、及び、食品添加物の権威郡司篤孝先生も今は故人となられましたし、協力農家として慈光会を支えて下さった井上さんや南さんも、亡くなられました。現在では10軒の協力農家と慈光会直営農場が、著者の遺志を継ぎ完全無農薬有機農法を実践して慈光会を支えております。以上簡単に概要を記させて頂きました。
(略)
この書が著者の願いどおり、「環境を破壊せず、人間の健康を守る調和に満ちた《生命のための農業》と、人間の持つ生命力や自然治癒力を第一義とした《生命のための医療》」の復興の一助にならんことを心より祈りつつ再版させて頂きました。
1997年10月 財団法人 慈光会
III 私の仏縁
法然上人
昭和36年の春、父は私に法然上人の『選擇集』と『漢語及び和語燈録』を借してくれました。法然上人は私が属していた浄土真宗の教祖親鸞上人の師で、親鸞上人のお著書や『歎異抄』などでお名前は良く拝見し、尊敬していましたし、母が上人の御伝記である『拾遺古徳伝』の中の一節を暗唱していて、いつも台所をしながら「上人ののたまいけるは……」と言っていたことなどで、よくそのお名前を存じていましたが、お著書を拝見したことはありませんでした。拝読するうちに、私はその簡潔な表現に潜む不思議な確信の威力に打たれました。そして、『三昧発得記』(法然上人が実際に阿弥陀仏の浄土を体験された記録)を読み終えた頃、豁然として思いが開けたのでした。
(略)
五條仏教会
話はずっと以前のことになりますが、終戦後間もない昭和21年3月、フィリピンのカンルーパンの米軍病院で勤務していた頃でした。病院のすぐ隣にある病没日本兵の墓地を柵越しに礼拝していた私は、ふとある啓示を得ました。「日本へ帰ったら『修証義』をテキストに『般若心経』を大勢の人と読誦する仏教研究会をもつようになる」
(略)
こうして五條仏教会が始まりました。毎月一回(はじめの五年間は月二回)第二日曜の午後、約3時間講義させて頂きました。そして、爾来24年の間、一回の欠講もなくつづき、毎月50人余りの人が集まって熱心に仏道修行に精を出してくれました。いつの間にか近隣の人だけでなくて、遠く東京、静岡、名古屋、滋賀、岡山などからも有縁の人が参加され、私が理事長をしている財団法人慈光会(農薬や食品添加物などの食品公害に対する啓蒙および真の農村文化推進の団体)の精神的バックボーンともなりました。この慈光会の運動はいつの間にか仏道者の奉仕運動的色彩を帯びてきて、直営の農場開発や健康食品販売所の建設など、簡単にはゆかぬ大事業がどんどん進捗したのです。
大正9年3月5日、奈良県五条市に生れる。昭和18年、京都大学医学部医学科卒業。昭和21年、フィリピンから復員、翌年、兵庫県立尼崎病院に勤務。27年、郷里の五条市で医院開業、有機農業の研究をはじめる。34年農薬の慢性中毒について発表。この年、慈光会を設立し、現在にいたる。
《87〜88ページ》
自然食療法(食事療法)を志している人たちの間でよく“三白の害”ということがいわれるが、それは、白米と白砂糖と化学調味料のことである。
白米はなぜ悪いかというと、精白される段階で米のもっているいちばん大切な胚芽の部分が捨てられてしまっているからである。胚芽こそは米の生命そのものであるのに、文明人はなぜかその部分を落してしまった。だから精白された米は、死んだ米である。それに対して、胚芽のついた玄米は生きている。水分を与えれば芽を出すだろう。つまり胚芽は、米の生命力の源泉である。そしてその胚芽のなかに、私たちにとって必要なミネラルやビタミンが含まれていることを忘れてはならない。
《239ページ》
三代続いた仏教学者の家に生れた彼は、家で教えられる仏教的世界観と、学校で教育される科学的世界観のギャップに悩んで、理科へ進み、自然科学から人間の躰に興味が移り、京都大学で医学を修めた。そして医学の基礎は生命力であることを悟ったのだった。
《254ページ》
梁瀬先生を中心とした社団法人「慈光会」は宗教団体ではない。梁瀬先生は仏教を信仰していらっしゃるけれども、梁瀬先生の宗教は大自然と人間の関係を説くことによって現実的で立派なお考えになっている。
《264ページ》
梁瀬先生は、日本医師会の会員ではない。どういう経緯で脱退なさったのか、伺ったが先生はお話しにならなかった。先生の治療は懇切丁寧で、患者の食生活を正しくする指導が根本だから、応急処置以外は滅多にクスリをすすめないし、注射もよほどでなければうたない。
《265ページ》
何度も書くが、協力農家十軒で会員八百軒の台所をまかなっているので、もう慈光会は手一杯だ。読者の皆様が、慈光会へ買出しにいらっしゃっても余分な品物はありませんから、健康な食物で子供や御自分の健康を維持したい方々は、地域ごとにかたまって、できるだけ近距離の農家に頼んで第二、第三の慈光会を作ることを考えて下さい。あなた方がやらなければ、できないのです。厚生省も農林省も通産省もやってくれないのだから。