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American College of Health Science
American Health Sciences Institute参照
American Health Sciences Institute
在、テキサス州。かつて、栄養科学の卒業証書を提供していた。その前に、生命科学研究所(Life Science Insitute)と名乗っていた頃は、博士号も授与していた。今はもう存在しないようだが。
[訳者注]アメリカ健康科学カレッジについて
現在は、経営者が代わり、名称を「フィット・フォー・ライフ・サイエンス・インスティチュート」と改め、本部をカナダに移してナチュラル・ハイジーンの指導を行なっている。
連絡先は、Fit For Life Sciences Institute (College of Natural Health)
《khon訳》
Fit For Life: この本とその根元について
ジェイムズ・J・ケンニー(James J. Kenney, Ph.D., R.D.)著
1982年、健康詐欺に対抗する国民会議ニュースレターの中で、私はハーヴィー・ダイアモンドの栄養に対する一時的流行を追ったアプローチの虚偽を攻撃した。当時、彼はセミナーの中で“ダイアモンド手法”と呼ばれる“食べ合わせ”を押し売りしていた。私は科学的見地から、この手法は“純粋なジルコニウム水晶(たわごと)”だと述べてニュースレターを締めくくった。よもや、ダイアモンドと彼の妻マリリンとが共著した Fit for Life [Warner Books, 1985] が、180万部も印刷され、米国史上最高のスピードで売れたダイエット本になろうとは思ってもいなかった。
私のちょっとした暴露が発刊されてから、ダイアモンド夫妻はやり方を洗練し、テレビショー常連のスターになってしまった。より輝いて見えるためにだろうが、アメリカ健康科学カレッジ(アメリカ生命科学カレッジともいう)から、ハーヴィーは“栄養科学の博士号”を、マリリンは“栄養カウンセリングの証明書”を取得した。このカレッジはテキサス州オースチンにある非認定通信学校で、“ナチュラル・ハイジーン”と呼ばれる自然療法の哲学を教えている。
環境栄養ニュースレターは Fit for Life を科学的詳細と全くのナンセンスをごちゃまぜにした新潮流の本の典型と呼んだ。この手の本では他に、Durk Pearson and Sandy Shaw 著「Life Extension」, Stuart Berger, M.D.著「Dr. Berger's Immune Power Diet」、Robert Haas 著「Eat to Win」などがある。これらの本はどれも、主にテレビのワイドショーに登場したおかげで、著者と無責任な出版社に巨富をもたらした。
Fit for Life の根幹は、栄養は何をどれだけ食べるかよりも、いつどのようにして食べるかの方が大切だと前提していることにある。この本には二つのパートがある。第一のパートはハーヴィーの“声”で書かれており、この本が依って立つ原理について述べている。第二のパートはマリリンの“声”で書かれており、ダイエット・プログラムを描き、レシピとメニュー例を提供している。
パート1において、ハーヴィーは Fit for Life はダイエットではなく、“教条的な摂生としてでなく、生き方として、ライフスタイルの中に取り入れられる食べ方”であると述べている。しかし、“体重のことであれこれ苦労することにうんざりし疲れた”人たちは“食べて、食べることを楽しみ、いつも不充足感ではなく満足感を得られ、いつも食事が楽しみになり、最も大切なことに、いつも快適な体重を維持できる”ようになれると約束している。さらに、彼は“永遠の結果”を提供し、彼もまたナチュラル・ハイジーンを知ることで一ヶ月以内に50ポンド(約19キログラム)やせたと主張している。パート2では、マリリンが証明書を提示してみせる。
(引用始め) 31歳のとき. . .私はほとんどのとき、これからの人生を暮らしていく自信がどうやって得られるのかと、涙に明け暮れていました。何年にもわたる薬、治療、療法のどれも、私の状況に変化も改善ももたらしてくれませんでした。そういったとき. . .私が何を食べているのか尋ねる人はいませんでした。ハーヴィーは尋ねてくれたのです。ハーヴィーが教えてくれるナチュラル・ハイジーンは、私にはもう見つけられないと思っていた、健康についての答えを与えてくれました。私が苦痛を感じたり、エネルギー不足になるのは、間違った種類の食べ物を摂ることで私のシステムに負荷をかけすぎていたせいだったと分かったのです。ハーヴィーが勧めてくれた原理を実践してみると、20ポンド(約7キログラム)やせたのです。わずか6週間で、成人してから初めて、私は自分の体型を誇りに思い、快適に感じることができたのです。(引用終わり)
ハーヴィー・ダイアモンドはナチュラル・ハイジーンに興味をもったのは、1970年にある人と出会ったことによると述べている。その人は“どうして私が太っていて、体重を減らすことにそんなにも格闘している理由をとても簡潔に説明したのです。その説明があまりにぴったりくるので、その明瞭な単純さに唖然としてしまうほどでした。”この人(名前を出さないで欲しいという)と一緒に3年間学んだ後、ハーヴィーはナチュラル・ハイジーンを教え、実践することをライフワークにすると決意した。
ダイアモンドによると、ナチュラル・ハイジーンは古代からのルーツがあるが、近代での運動は1850年米国においてシルベスター・グラハム(Sylvester Graham)と3人の医学博士による業績から始まったそうだ。20世紀における最も顕著な推進者はハーバート・M・シェルトン(Herbert M. Shelton, D.P., N.D., IN.T., D.N.Sc.)であり、1928年から1981年までテキサス州サンアントニオでクリニック、実験室、教育プログラムを含む“健康学校”を運営した。シェルトンは、その著「ナチュラル・ハイジーン入門」(1922年、1954年、1963年発行)の中で、全ての薬は“毒”であり、“薬の投与にもかかわらず回復できる患者はみな、ナチュラル・ハイジーンによって、もっと早くもっと満足のいくように回復することができる”と述べている。食事の際、一種類以上の食べ物を摂ることは望ましくない、とシェルトンは助言している。病気になったとき、患者が食べたものは消化されずに腐敗、発酵するという。そして、腸内の腐敗、発酵した食べ物を除去するためには、断食が安全で有効な手法だと主張する。シェルトンは1985年1月1日、89歳で亡くなっている。
他のカルトと同様、ナチュラル・ハイジーンも生活上の複雑な健康問題に単純な解決法を提供する。Fit for Life の中で、主要な問題は不要な体重であり、単純な回答は食べ合わせであるとされる。この本では、朝にフルーツだけを摂り、朝以外には主に野菜を摂るように計画を立てている。それで野菜の摂取が増加すれば望ましい人たちもいる。しかし、メイン大学の栄養学教授キャサリン・マルグレイブ( Katherine Mulgrave)の分析によると、Fit for Life ダイエットではカルシウム、亜鉛、鉄分、ビタミンB12、ビタミンDが不足する。現代の医療を放棄してナチュラル・ハイジーンを信じるように吹き込まれた読者は、さらに危険なことになる。
1982年9月21日、ロサンゼルス・デイリー・ジャーナルは、連邦裁判所陪審がシェルトンの健康学校で蒸留水ダイエットを30日間行った結果死亡したロス・アルトス住人ウィリアム・カールトンの遺族に87万3千ドル(約1億1千万円)を与えたと報じた。記事によると、カールトンはその最後の一ヶ月に50ポンド(約19キログラム)やせることになった衰弱の結果生じた気管支肺炎で死亡した。記事はまた、1981年に閉鎖された健康学校で治療中に死亡したのは、カールトンが5年間で6人目だとも述べている。
Fit for Life はまた「毒血症解説」(1926年発行)の著者ジョン・H・ティルデン(John H. Tilden, M.D.)のアイディアにも基づいている。ハーヴィー・ダイアモンドによると、“ティルデンの本はナチュラル・ハイジーン分野における力作であり”、“毒血症がいかに過大な体重の基礎をなしているか”を説明しているという。ティルデンの理論によると、
・毒性の不要物質は、それを排泄するに十分なエネルギーが体にないと、体内に保持される
・通常の料理法では食べ物は不完全に消化され、毒性のかすが残る
・蓄積された毒性の不要物質が過大な体重の原因である
ダイアモンドはこうも説明する
・間違った組合せで食べ物を摂ると、腐敗し消化できなくなる
・肉とじゃがいも、卵とトースト、パンとチーズ、鶏肉と麺といった食べ合わせが“この国で人々が50歳で死んでいく原因になっている”
・体を浄化する食べ物もあれば、体をべとべとにする食べ物もある
・卵は体内で腐る
・精製された砂糖もまた、たとえ単独で摂取したとしても、発酵し酸を生じる。精製によって砂糖から“生命の全ての痕跡”が取り除かれるからだ
・フルーツや野菜は水分を豊富に含むため、体から毒物を洗浄、浄化することができる。しかし、食事の最後にフルーツを摂ると、その吸収がブロックされるため、発酵してしまう
実際には、精製されていようがフルーツに含まれていようが、全ての糖分は小腸で吸収される。しかし、ダイアモンドは“フルーツは他のものと一緒に、もしくは、他のものを食べた直後に、食べてはいけない”─彼が“Fit for Life の中で疑いもなく最も重要な”ルールと呼ぶもの─を宣言する。実際は、フルーツにはペクチンが含まれおり、ペクチンは発酵するものなのだ。もし発酵を生じるものが肥満の原因であるというダイアモンドの理論が正しいとすると、フルーツを食べることは肥満を治すどころか肥満を増進することになる。
たいていの“自然”手法の唱道者と同じく、ダイアモンドは“自然こそベスト”という迷信を何度も繰り返し述べている。例えば、“自然の中の動物たちは、われわれ人類が経験している健康と比べて、はるかに健康であり”、ペットや動物園の動物たちは“人類と同じ多くの問題”を抱えていると主張する。事実は、自然の中のほとんどの動物たちは寄生虫にたかられ、伝染病や栄養不足に倒れているのだ。通常、病気の動物は食肉動物に殺されてしまうので、われわれの目には病気の動物たちが平原やジャングルで倒れるところが見えないだけなのだ。標準的な米国人は野生のどの哺乳類よりもずっと長生きしているなどとは、ハーヴィー・ダイアモンドにはおそらく思いつきもしなかったのだろう。ペットや動物園の動物たちが衰弱する病に罹る理由は、彼らの野生の“いとこたち”よりもずっと長く生きているからなのだ。
ダイアモンドはまた、世界中の各地に“水分の多い”食物を食べているおかげで、百歳を超えても元気に暮らしている人たちがたくさんいると主張している。この長寿の証拠として、アレクサンダー・リーフ(Alexander Leaf, M.D.)がそうした三つの長寿地域への旅行から帰ってきた際のインタビューが載ったナショナル・ジオグラフィック誌(National Geographic)1973年の記事をあげている。(リーフ博士はハーバード医学学校の予防医学と伝染病学部門長)しかしながら、米国老人病学会誌1982年8月号の社説において、リーフ博士はその後の調査で、多くの老人が社会的地位を高めるためや観光を振興するために、年齢を多めに誇張していたことが判明したと説明しているのだ。
ダイアモンドが“博士”の学位を取得したアメリカ生命科学カレッジは学長T.C. フライ(T.C. Fry)によって1982年に設立された。ハーヴィーはT.C. フライのことを“今日、最も顕著で活発なナチュラル・ハイジーンの唱道者. . . 最も素晴らしい健康のためのスポークスマン”と呼んでいる。フライの生まれながらの頭の良さは明白だが、最近のラジオ討論において、自分が高校中退であることを認めている。フライはまた私に対してこう言ったことがある。ウィルスは存在しない、人々にその原因となるウィルスへの免疫ができたときに、天然痘やポリオの伝染が止まったのは偶然に過ぎないと。
生命科学のカタログ(健康キャリアという冊子)には、こう書いてある。
(引用始め)医療施術士は薬の方を向いているのに対して、. . . 生命科学は全く別のアプローチを提示する。はち切れんばかりで、光り輝く健康が正常で自然なのだと考える。苦痛や不快は異常で不自然で不必要なのだと考える。 . . . 病気の原因をあれこれ思い煩うのはやめよう。そうすれば、病気は起こらない。(引用終わり)
カタログではまた、学校の111回受講の通信コースを取れば、“一年以内に専門栄養士になれる”と述べている。32回受講で熟達証明を、58回受講で“科学学士号”を、84回受講で“科学修士号”を、111回受講を終えれば栄養科学の“哲学博士号”を取得できる。
おそらくこの大学のスター生徒の成功で勢いづいたのか、フライは栄養学コースの授業料を875ドル(約11万円)から1,250ドル(約16万円)へ値上げし、卒業生はパートタイムで家庭にいながら月500ドルから1,000ドル(約6万円から13万円)稼げるだろう、と今年発表している。しかし、フライの学校の将来は確かではない。1982年にテキサス州高等教育委員会はフライに“広告を止め、当該委員会からの認定証なしに学位を提供するのを止める”よう命令している。フライは当学校は宗教機関なので法律の適用を受けないと返答していたが、後にテキサス州を去ったと返答している。1986年、この学校が依然としてテキサス州で運営しており、自主的に運営停止する見込みがないことが明らかになった際、フライ、生命科学カレッジ、アメリカ生命科学カレッジに対し、“カレッジ”という言葉を使わないよう、単位や学位を発行しないよう、裁判所から禁止命令が出ているのだ。
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この記事は栄養学フォーラム1986年3月号に掲載された。著者のケンニー博士はカリフォルニア州サンタモニカのプリティキン長寿センター(Pritikin Longevity Center)の栄養士である。T.C. フライは1996年に亡くなっている。
本記事は1999年11月12日にQuackwatchに掲載された。