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1997年5月27日
毎日新聞 夕刊
「超能力の難病治療」と称し多額の治療費をだまし取られたとして患者や遺族計30人が自称・超能力者の中国人女性、邵錦(しょうきん)さん(32)と夫を相手に計1億690万円余の損害賠償を求めた訴訟で東京地裁は27日、詐欺による不法行為と判断し全額の支払いを命じた。園尾隆司裁判長は「平常心でいられない難病、回復困難な症状の患者、近親者の心理を巧みに利用し、テレビ放映などを使って収奪の拡大を図った点で巧妙、悪質」と指摘した。
判決は、日本テレビが治療内容を放送した番組についても「医師の診断など客観的事実の確認がなされていないのに、あたかも難病の治療効果が確実に上がっているかのようなナレーションを流した」と批判。患者らは日本テレビなどに対しても同様に提訴しているが、この日午後に裁判所が和解を勧告する見通し。
判決によると、邵さんは中国で気功治療に携わり、1989年に来日。92年から「宇宙パワーで病気を治す」と称して治療行為を行い、料金は9カ月コースが約380万円などと高額だった。92年11月に日本テレビの番組で取り上げられたのをきっかけに収入増を図った。邵さんの著書も日本テレビから発行され、多数の患者が高額の治療費を支払って治療を受けた。
判決は「高額の治療費の支払いを受け、詐取した」と認め「全国規模のテレビ放映、出版により虚偽の資格、経歴が国内に広く流布され、これを信じて高額の治療費を支払う者が多数に上った」と指摘した。
患者らの弁護団は判決後「日本テレビなどの責任を認めた内容。生命・身体に影響を及ぼすような番組を作るには多角的、公平に放映、取材する義務をつくしてほしい」と話し、邵さんらを詐欺容疑で告訴する意向を明らかにした。
日本テレビ広報部の話 判決理由中にテレビ放映・出版に言及する部分があるので内容を検討したい。邵錦さんらと立場を異にしており、その責任に対する判断も異なる。